【水俣病関係資料】オンライン展
闘争のことば 石牟礼道子 苦海浄土第三部『天の魚』から読むビラ合戦
【Minamata Disease】
Words of Struggle
The Leafletting Battle Read from Fish of Heaven (Ten no Iwo)
by Michiko Ishimure
2021年現在、私たちが直面している新型コロナウイルス感染拡大下では、他者に対する様々な「ことば」が日頃の会話やネット上で行き交っています。現在のインターネット・SNSを使ったことばのやり取りや世論形成に近い「伝える」手段として、「ビラ」がありました。
本オンライン展では、1969年熊本市発足「水俣病を告発する会」として自らもビラ作成に関わっていた石牟礼道子著『天の魚』(1974 筑摩書房)を道標に、同作に登場・関係するビラ等資料から、告発する会と「ビラ合戦」(1971年)に関するデジタル画像を紹介します。
多様な立場がぶつかり合う状況におけることばの力とはどのようなものだったのか、ことばが闘争の手段とされた「ビラ合戦」をいま見つめなおします。 展示資料:No.1〜No.25(30点), 水俣病研究会資料より/参照文献:本ページ下部
This online exhibition introduces the digital images of leaflets that appear in Michiko Ishimure's Fish of Heaven (Ten no Iwo 1974 Chikuma Shobo) in Japanese and English. We selected the materials from the Minamata Disease Research Group Collection which we hold. At that time, the leaflets distributed daily in newspaper inserts and door-to-door distribution encouraged, hurt, led and confused people. The leafletting battle in Minamata was the first since the stabilized wage dispute in 1963. The words of both sides escalated, creating further attacks. As of 2021, even under the spread of the new coronavirus infection that we are facing, various words to others are being exchanged through daily conversation and online. Now we focus on the "leafletting battle" which words were the means of struggle, and think about the power of words in situations where opposing positions collide.
動画:1970年代日本のガリ版文化(4:51, 話し手=文書館市民研究員 阿南満昭, 聞き手=文書館スタッフ)
解説:自主交渉とは(文書館市民研究員 阿南満昭)
※ 本展で紹介する資料の脱酸性化・デジタル化および英文ネイティブチェックは、人文社会科学国際研究センター・学際的研究資源アーカイブ領域の協力により行われました。心より御礼申し上げます。英語版は後日公開予定です。
※ 本サイト閲覧以外の資料イメージ利用につきましては、文書館までご連絡・ご相談ください。
※ 本展紹介資料は文書館での閲覧等が可能です。
* The deacidification/ digitization of the materials featured in this exhibition and the native English check were carried out with the cooperation of the Division of Research Resource Archives for Interdisciplinary Studies, the International Research Center for Humanities and Social Sciences (IRCHSS). We sincerely appreciate their cooperation.
<参考・関連文献>
●苦海浄土 3部作 石牟礼道子 著
第1部『苦海浄土 わが水俣病』1969 講談社
第2部『神々の村』2004 藤原書店(『石牟礼道子全集・不知火』全17巻・別巻1, 第2巻 苦海浄土 第1部 苦海浄土 第2部 神々の村)
第3部『天の魚』1974 筑摩書房
●『死民と日常 私の水俣病闘争』渡辺京二 弦書房 2017
●『水俣病闘争 わが死民』石牟礼道子編 現代評論社 1972年
●『実録水俣病闘争 天の病む』石牟礼道子編 葦書房 1974年
●『水俣病の民衆史 第三巻 闘争時代(上)1957-1969』岡本達明 日本評論社 2015
●『水俣病の民衆史 第四巻 闘争時代(下)1968-1973』岡本達明 日本評論社 2015
岡本達明:日吉フミコ会長率いる「水俣病市民会議」(1968-)の訴訟班として水俣病研究会と共に第一次訴訟勝訴に貢献した。1970-1978年 チッソ水俣工場第一組合委員長。著作に関する全資料を本館にご寄贈いただいた。
●『縮刷版 告発』(創刊号1969年6月25日〜第24号1971年5月25日)1971 東京・水俣病を告発する会
●『縮刷版 続編 告発』(第25号1971年6月25日〜終刊号1973年8月25日)1974 東京・水俣病を告発する会
●「新日本窒素労働組合と水俣病患者支援団体,患者組織との連携関係の分析」【特集】新日本窒素の労使関係・労働運動の諸相(1)『大原社会問題研究所雑誌』675 鈴木玲 2015
●「承認をめぐる闘争としての水俣病運動」『大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター年報』1:9-14 成 元哲 2003
●「義勇兵とNPO法人とのあいだ―水俣病運動の軌跡(1)」『中京大学現代社会学部紀要』1(1):59-93 成 元哲 2007
●『水俣病誌』川本輝夫著 久保田好生・平田三佐子・阿部浩・高倉史朗編 世織書房 2006
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